【レポート】
On the intrinsic attraction of information
Jan Lauwereyns 氏

グローバルCOE特別講演会

講演者:Jan Lauwereyns 氏 (九州大学 教授)
タイトル:On the intrinsic attraction of information



課題に関連する情報と課題に関連していないが、本質的に人を引きつける情報が対立するに、その無関係な情報に対する推論の限界を五つの実験結果を用いてご説明された。

 一つの実験において、「品」字型に三つの刺激を提示していた。上の刺激はサッケードの目標となるもので、左右に提示しているのは目標とは無関係の単語であった。一つはタブーの言葉で、もう一つはニュートラルな単語だった。このような課題では、被験者が目標画像の真っ下にある注視点から目標にサッケードする時、眼球の運動の方向はまっすぐの直線ではなく、ニュートラル単語に寄せられた曲線となった。つまり、タブーの言葉をさけていた。そして、もしタブーの言葉がちょうど言葉処理の優位半球とは反対側の位置に提示される場合、被験者はよりニュートラル単語に近づけるようサッケードしたのだ。子供はタブー単語が大人に比べて逆に好きであるかもしれないが、それは子供には社会の文脈に基づいて、タブーの言葉に目線を近づけないようと頭の中でかけている抑制の仕組みがまだ十分に発達していないためであるかもしれない。

 また、もう一つの実験では、四種類の写真をディスプレーの左上、左下、右上、右下の方向に同時に被験者に提示していた。一種類の写真は人間の顔であった。写真は点滅して表示された。点滅している間に一種類の写真が変わり、被験者に写真が変わったことに気がついたらボタンを押すと指示した。もし変わった写真が人の顔であれば、他の三種類の写真よりも被験者が早く検知することができる。

 以上のような実験によって、 J. Lauwereyns氏は人が自ら新しい情報を探り出す時にいかにして周囲の文脈にある無関係だが、気を惹く情報に影響されるのかをアプローチしている。

日時 2011年8月9日(火)15時00分~17時00分
場所 玉川大学研究管理棟5階507室
報告者 范 宏偉(脳情報研究科・博士後期課程)