玉川大学工学部のロボット工房(RoboWorks)に所属する学生を中心とし、電気通信大学およびNICT(情報通信研究機構), ATR(国際電気通信基礎技術研究所)と合同チームを組んだ、チーム eR@sers(イレイサーズ)は7月14日から20日まで中国蘇州市で開催されたロボカップ世界大会で見事優勝しました。
ロボカップは、2050年にサッカーワールドカップに優勝したチームと戦って勝つことを目標にロボット技術を競うもので、サッカーを中心に、レスキューや家庭ロボットなどいくつかのリーグに分かれて世界大会が行われています。
今回、優勝したのはロボカップ@ホームリーグで、人と共に作業を行うロボットが、キッチンやリビングルームで様々な課題に取り組み、その達成度により勝敗が競われます。日常生活で人間を支援する自律ロボットによる競技を通じて、人とコミュニケーションしながら、より役に立つ仕事を行う実用的なロボットの実現を目指したものです。試合では、家庭のような環境で、「自己紹介する」「人についてゆく」「探しものをする」「言われたものを持ってくる」「人を見分ける」などの課題を競うリーグです。チームeR@sersは5月に静岡県沼津市で開催された国内大会で優勝し、世界大会への出場権を獲得していました。
7月14日から始まった世界大会では、ドイツやイラン、チリ、メキシコなど8つの国と地域から14チームが出場する中、日本から唯一の出場チームとして十分に実力を発揮し、世界の強豪チームが集う中、1次予選を2位で突破、続く2次予選では苦戦するも3位で5チームが競う決勝に勝ち上がりました。7月20日の決勝戦では、eR@sersの特徴である、騒音の中でも話者を選ばない自然な音声対話技術や高速で安定した画像処理システムによる人の顔やリビングにある様々な物の認識・記憶技術を十分にアピールすることができ、見事、ロボカップ@ホームリーグ初出場で優勝しました。
日時 | 2008年7月14日~20日 |
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場所 | 蘇州・中国 |
報告者 | 岡田 浩之 (玉川大学工学部・教授) |