【レポート】
Joint Tamagawa University / Caltech Lecture-course
on EMOTION

 Joint Tamagawa University / Caltech Lecture course では、若手研究者育成を図る目的で3日間にわたってカリフォルニア工科大学で開催された。今回のレクチャーコースでは人や人以外の動物の感情、表情による感情コミュニケーション、および感情が我々の社会的な行動や意思決定にどのような影響を及ぼすのかというemotion研究分野における一流の講師陣の講演を聞くことができるとともに、議論し、直接交流することが出来る良い機会であった。また、このレクチャーには玉川大学グローバルCOEプログラム関係者、ポスドク、大学院生などが参加した。

 初日のレクチャーでは、 Ralph Adolphs氏、John Allman氏による講演が行われた。中でも、Ralph Adolphs氏による講演では、心理学者と神経科学者がemotoin、moods、feelingsをどう概念化したのか、また概念化するにあたってどのような調査を行ったのかについて、人間と人以外の動物の研究についての議論はとても興味深いものであった。また、現在研究中である障害患者と機能的神経イメージングの取り組みについての報告も印象に残っている。レクチャーの後はCaltechの中庭で参加者によるポスターセッションが行われ、玉川大学、Caltechの研究員などにより現在進めている研究についての発表があり、どのブースでも白熱した議論が交わされていた。今回、このJoint Tamagawa University / Caltech Lecture courseに参加をし、多くの研究者の方と議論する中で自分の語学力が不十分だと感じることが度々あった。しかし、こちらが何とか伝えようとすると講演者の方から「こういう事?」というように聞き返してくださったり、後で論文データをくださるなど、様々な意見交換ができた事をとても嬉しく思っている。

 また、2日目以降のレクチャーでは、人間の脳の報酬と意思決定の関係や感情コミュニケーションのための文脈としての表情、霊長類が顔認識する際のユニークな神経活動、逆さ顔の認識処理といった講演を通じ、多くのemotion研究とその成果、応用研究について学ぶことができ、自身の今後の研究にも関係しそうなトピックを多く得ることができたと感じている。

 今回のレクチャーコースを通して多くの研究者の方と親しくなり、彼らとの会話を通して自身がこれから研究者として生きていく上でとても良い刺激を得ることができた。このような貴重な機会を与えてくださったGCOEプログラムならびにレクチャーコース関係者の皆様に深く感謝いたします。

日時 2009年2月18日~2月20日
場所 カリフォルニア工科大学、米国
報告者 横山 絢美(玉川大学大学院工学研究科)