私たちは社会の中で生きていくために、多種多様な情報を効率よく処理し、行動を制御するための適切な情報を生成する必要があります。これらの一連の過程を担っているのが神経系であり、その中でも人間で大きく発達している大脳皮質連合野とそれと連関した大脳基底核などの構造体が中心的な役割を果たしていると考えられています。我々は、(1)社会活動の一場面をより単純なモデル課題に還元して、これを遂行している動物の神経細胞活動を直接計測すること、(2)多様な解剖学的手法を駆使して、大脳皮質連合野を中心とする脳内ネットワークを明らかにすること、を通じて、社会活動を支える神経科学的基盤を機能的・構造的側面から明らかにします。